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2024.02.10 軽トラのフロントショックの底突きについて その1
「軽トラのフロントショックが底付いて乗り心地が悪い」という話しを聞いたことがある方も多いと思います。
乗用車ではそういった話しはほとんど出ないのですが、何故軽トラではそういう話しが多いのか?
まずは順番に、フロントショックが底突くとは何なのか説明したいと思います。(そんなの知ってるという方は前半部をスルーして下さい)
下はキャリイ(DA16T)のフロントショックアブソーバー(フロントストラット)単品の画像ですが、ガスが封入されているので放置しているとこのようにロッドが伸び切った状態になります。 ※ストロークを測定するためにロッド先端にタイラップを巻いてあります
そしてロッドを押し縮めて行くとここまで短くなります。(ガス圧で伸びて来ないように縮み切ったところでPPバンドで固定しています)
これが底突いた状態で、ロッドの下端がケースの底を突いているということです。(実際には後述するバンプストッパーに当たって止まることになりますが・・)
底突かない範囲内でショック(スプリング)が動いていれば何ら問題ないのですが、底突いた瞬間に「ガツン!」と来るため、とんでもない乗り心地になるわけです。
ではもう少し詳しく考察して行きましょう。
ショックが全伸びから底突きの状態までどれくらいのストロークが有るのか測定してみると、
約100mmのストロークがあります。
結構なストロークがあるじゃん!と思いきや、そうは問屋が卸しません(笑)
キャリイのショックアブソーバーには、下の画像の様なバンプストッパー(兼ダストブーツ)が付いています。
実際に車両に装着される際には、このようにショックに取り付けられます。
ショックアブソーバーがリアルに底突きしてしまうと、金属対金属が激しくぶつかり合うことになるためものすごい衝撃(音)が発生してしまいます。
これを防止するためにバンプストッパーが入っています。(スプリングの線間密着を防止したりロールを抑制する目的も有りますがここでは割愛します)
このバンプストッパー、上から覗いてみるとわかるのですが、
ストッパーの部分の長さが、なんと40mmもあります!
話しを総合すると、実際のフロントショックのストローク量は「100mm-40mm=60mm」となります。
そう考えると意外と短いですよね・・(^^;
で、本稿2行目に出て来た「乗用車ではそういった話しはほとんど出ないが、何故軽トラではそういう話しが多いのか?」という疑問点については、「軽トラックのフロントショックは構造上長くできないためにストローク量が確保できず底突きを起こしやすい」というのが主な理由になります。
中でも座席下にショックがあるフルキャブタイプの軽トラはフロントショックの長さを短くせざるを得ないので本当に条件が悪いです。このためDA63Tキャリイでは底付きの話しはほとんどありませんでしたが、DA16Tでは底突きで悩んでいる人がとても多いのです。
次回以降、この60mmのストロークが縮み側と伸び側にどれくらい分配されているのか?、どういった車両に底突きが起こりやすいのか? といったあたりについてお話ししたいと思います。
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