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2024.02.17 軽トラのフロントショックの底突きについて その2
前回のその1では「底突きとは何か?」「純正フロントショックアブソーバーは実際どのくらいのストローク量があるのか?」というお話しをしました。
今回は縮み側のストロークについてもう少し突っ込んだ話しと、どの様な車両に底付きが発生しやすいのかを説明したいと思います。
その1で「キャリイ(DA16T)の純正フロントショック」の実ストローク量は約60mmというお話しをしました。
では60mmのストロークは、縮み側に30mmと伸び側に30mmずつ配分されているのでしょうか?
答えはNOです。
スーパーキャリイの場合ジャッキアップした状態からジャッキを下ろして車重が掛かる状態にすると、フロントショックASSYは約48mm縮みます。
つまり車両が接地して静止した状態では、伸び側には48mm、縮み側には量12mmのストロークがあるということになります。
バンプストッパーはゴムで出来ているので、パンプストッパーに当たってから10mmは縮むとすると、フルバンプ(=突き上げまで)約22mmのストロークが残されていると期待を込めて考えます(笑)
さてここで、キャリイの場合フロントスプリングのバネレートは約3.0Kg/mmになります。
車両が静止した状態での話しになりますが、フロントショック&スプリングASSY1輪に66kgの荷重がかかるとフルバンプしてしまう計算になります。
66kg÷3kg/mm=22mm
これは車両が静止した状態での話しですので、走行して路面からの大きな入力が有ると66kgの荷重が無くともフルバンプしてしまいます。(※ショックのガス圧は無視します)
ということで、最初からフロントに大きな荷重が掛かっている保冷車や軽キャンパーは、いとも簡単に底突きしてしまうことが容易に想像できると思います。
また純正スプリングと交換タイプの「30mmローダウンスプリング」といった商品が世には出回っております。
このブログをここまで読んで来た方はすぐにわかると思いますが、30mmローダウンスプリングを純正ショックアブソーバーに組み付けた場合、縮み側のストロークは全く無くなります。
フロントの縮み側はスプリングが機能せずバンプストッパーの弾力だけで走っていることになりますので、ノーサスのレーシングカートに近い状態と言えます(笑)
ローダウンスプリングを組んだお客様から「ドリンクホルダーに缶コーヒーを置けない」という話しを聞いたことがありますが、ごもっともな話しです。
そんな理由から弊社ではローダウンスプリングという製品は発売していません。作ることは容易ですがお客様に粗悪な乗り心地は提供したくありませんので・・。
底突きの具体的な対策方法については、次回以降のブログでお話ししたいと思います。
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