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2024.03.12 フロントショックアブソーバの底突きを防ぐ(低減させる)にはどうすれば良いのか?
先日のブログで「軽トラのショックの底突き」のお話しを2話に渡ってさせていただきましたが、今回はフロントショックアブソーバの底突きを防ぐ(低減させる)にはどうすれば良いのか?を、具体的にお話ししたいと思います。
(底突きについてのブログを読まれていない方は、先にそちらを読んでいただくことをお勧めします。)
以前のブログでスーパーキャリイ(DA16T)のフロントショックアブソーバのストロークは、ドライバーも荷物も載せない状態で伸び側に約48mm、縮み側に約22mm(バンプタッチまで12mmとバンプラバーの潰れ代が10mm)というお話しをさせていただきました。
底突きを防ぐ(低減させる)ための方策としては
①1G状態において底突きするまでの距離を伸ばす
②ショック(スプリング)が容易に縮まないようにする
の2つが考えられると思います。
①を実施するための具体的な方法として「車高を上げる」というやり方が考えられますが、リフトアップして楽しむのを目的にしている方はいいとして、一般道を走行する機会の多い「運送業の車両(保冷車)」や「軽キャンパー」にお乗りの方は出来れば重心を上げずに対策したいのではないかと思います。
話しが少しそれますが「スプリングを交換するだけで車高が40mm上がる!」とか「ショックのロッドの先端にスペーサーを入れて車高が40mm上がる!」といったリフトアップ商品が世の中には多数出回っています。今回とは逆にショックの伸び側の話しになりますが、こういったパーツを取り付けて車高を上げるとフロントショックアブソーバの伸び側ストロークが無くなるため、段差を通過するたびに「ゴン」といったショック伸び切り音が出るという問題が発生しますのでご注意ください。こちらはまた別の機会にお話ししたいと思います。
さて話しを戻して「②ショック(スプリング)が容易に縮まないようにする」を実施するための具体的な方法としては、以下の3つが考えられます。
a)スプリングを強化する(バネレートを上げる)
b)ショックアブソーバーを強化する(減衰力を高くする)
c)フロントスタビライザーを装着する
順を追って少し詳しく説明します。
バネを硬くすれば縮み量が減りますので底突きしにくくなるのは直感的にわかると思います。
底突きするまでの荷重を基準に考えてみますと、純正スプリングのバネレートが3kg/mmだったとして、66kgの荷重※で22mm縮み側にストローク(=底突き)していたところが、
バネレート3割増しの4.2kg/mmのスプリングに交換すると92.4kgの荷重が必要となるため、27kgのマージンが生じることになります。わずか27kgと思う方もいらっしゃるかと思いますが、この差は底突き抑制に当たりかなり大きな値と言えます。
※実際の純正フロントスプリングにはプリロードが掛かっているため、22mmストロークさせるためには66kg以上の荷重が必要になります
b)ショックアブソーバーを強化する(減衰力の高い物にする)
これは直感的にわかりにくいかも知れませんが、「ショックアブソーバーの減衰力を高くする」ということは「ショックが縮むのに大きな力が必要になる」ことと同じ意味になります。
例えば純正ショックアブソーバーで段差を通過して、ぎりぎり底突きしてしまうような場面であれば、強化ショックアブソーバーにすることで縮み量が少なく(縮む速度が遅く)なりますので底突きする所までストロークしなくなります。
c)フロントスタビライザーを装着する
これは詳しく解説していると話しが長くなるので割愛しますが、片側だけがギャップを通過した際にはスタビライザーが作用してギャップ通過側のストローク量を減らしてくれますので効果が出ます。
ただし両輪が同時にギャップを通過(同じ動きを)した場合にはスタビライザーは効きませんので、その点は注意が必要です。
ということで話しをまとめますと、フロントショックが底突きしている場合の対策は
「スプリングを硬い物に交換する」、「ショックアブソーバーを減衰力の高い物に交換する」というのが最も定番の方法で、補助的に「フロントスタビライザーを装着する」方法もあると言えます。
実際に保冷車や軽キャンパーにお乗りの多くの方がこれらの対策を打つことで底突きを減らし、快適な乗り心地を手に入れられております。
ちなみに既にローダウンスプリングを組んで突き上げまくっている人は、上記 a) b)の方法が使えませんので、「あきらめる」か「車高調キットに交換する」の2択になりますが、車高調はガチガチに硬い製品もあるので十分吟味してからご購入いただくのがよろしいかと存じます。
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